きょうも気分てんかん

大人になってからてんかんを発症しました。 いろいろと気分転換しつつ、日々懸命に生きてます。

コロナワクチンに揺れる乙女心

コロナワクチンの2回目接種日が近づいてきました。
このワクチンがどれだけの効果を発揮するのか分かりませんが、私にとってプラスに働いてくれる事を信じるのみです。


正直なところ、ワクチンを打つ事自体に、すごく悩みました。

ワクチンの効果や副反応は、色々と報道されています。
科学的に証明されている事は、メリットもデメリットも確かにその通りだと思うのですが、私が一番気になったのは、5年後・10年後に人体にどのような影響が起こるのか、まだ証明されていない事でした。

まだ、平均寿命の半分弱しか生きておりません。
これから先、それなりの年月を生きていくにあたり、任意のワクチンによる副反応で苦しい思いをして生きる事になったら、辛すぎます。
ただでさえ、てんかんという持病と付き合っていく必要があがあるのに。

世界でワクチン接種が始まった今年の初め頃は、
「なんかイヤだから、打ちたくない」
と思っていました。

そんな時、同僚が新型コロナに感染してしまいました。
人一倍感染対策に気を使っていた方で、週2~3日の通勤と食料や日用品の買物以外には出歩かず、家族もテレワークだったそうです。
それなのに、感染してしまったのです。

現在、その方は回復して元気に働いていますが、身近で感染者が出た事で
「誰でも、日常生活を送っているだけで感染する可能性があるんだ」
と強く感じました。

 もし私が感染したら?

入院必須な重篤状態になってしまうのは、もちろん嫌ですが…
軽症で、一人で療養ホテルに行く事になったらどうでしょうか?

「発作が起きたらどうしよう」という不安があります。

今まで発作があった時、側にいてくれる人がいたから、私は生きています。
過去にお風呂で溺れかけている私の場合、コロナで死ぬより、発作で死ぬ確立の方が高いのではないか?
感染した時の事をリアルに想像した時、“一人で過ごす可能性”を、とても怖いと感じました。

そして、考え方が変わりました。

人間誰しも、未来の事など分かりません。
私自身、30代でてんかんを発症するだなんて、10代・20代の頃は想像だにしていませんでした。
この先、てんかんと付き合いながらも100歳近くまで生きるかもしれないし、明日、ポックリ逝くかもしれません。
「既に私は健康体ではないのだから、数年後の事を、必要以上に悩んでも仕方ないのではないか?」と思ったのです。

そして、ワクチンの接種が、“今の自分にとって”どのようなメリット・デメリットがあるのかを考えるようになりました。

こうして、私は、ワクチンの接種を決めました。
将来の事は分からないけれど、今の私にとっては、メリットがデメリットを上回りそうだからです。

将来、ワクチンの副反応で苦しむ可能性はゼロではありませんが、てんかんが悪化したり、他の病気で苦しむ可能性だってあります。
そう思うと、リスクは変わらないように思えました。


…まぁ、あくまでも「私はそう考えた」という話です。
他人に自分の考えを押し付けるつもりもありませんし、オススメもしません。

ただ、何か行動を起こして、不測の事態が発生したとき、「自分が納得できるかどうか」が大切なのかなと思います。

 私はこう考えたんだ。
 だから後悔しない。
…と思えるように、今の自分の気持ちを記しておこうと思いました。

コロナワクチン体験記/1回目

少し前、仕事帰りの夕方に、コロナワクチンを打ちました。

ワクチン予約の時、うっかり忘れていたのですが、同日の午後、健康診断がありました。
しかも、胃カメラあり。
胃カメラの検査をする際、口腔麻酔をします。
健康診断の病院、ワクチンを打つ病院の両方に確認しましたが、胃カメラ用の麻酔とワクチンは、同日でも構わないとの事でした。

先に打った知人の話では、
「よく食べ、よく寝て、体調を万全に整えていったら副反応は特になかった」
との事でしたが、私は朝から何も食べず、口腔麻酔が切れる16時過ぎにサンドイッチを軽くつまんだだけという状態でワクチンを打ちました。

そんな状態だったので、副反応が強く出たらどうしよう…という不安がありましたが、ワクチン自体は、“チクッとするかなぁとドキドキしていたら、いつの間にか終わっていた”という感じでした。
打ち手が上手かったのでしょうか?
昨年末にインフルエンザのワクチンを打った時に比べ、全く痛みを感じませんでした。

私は、近所のかかりつけの内科で打ったのですが、何となくスマホ禁止と言うイメージがあったので、待機時間に暇をもてあそばないよう本を持っていった事は正解だったと思います。

そういえば、「過去にけいれんがあった人は待機時間30分」という記述をどこかで見たのですが、私の場合、接種後15分後に特に問題なかったので、帰って良いよと言われました。

当日就寝するまで、特に何もなく過ごしていたのですが…
翌朝(接種から約12時間後)、打った部分(左腕)に触れるだけで激痛が!!

休みを取っていたので、ゴロゴロと寝て過ごそうと思っていたのですが、左を下にして寝返りがうてないのです。
仕方なく、いつもの時間に起きました。

Tシャツを脱ぎ着したり、棚の上の物を取ったり、洗濯物を干したり…etc.
接種した部分の筋肉を大きく動かすと激痛が走ります。
自分で軽く触れるだけで「ぎゃっ!」となるので、何もする気が起きず、漫画を読んで静かに過ごしました。

接種翌日の夜(接種から約28時間後)になっても、まだ痛みは引かず、頭を洗ったり、体の右側を洗ったり、髪を乾かすのが辛かったです。
ちなみに、フライパンを動かすような、腕を高く上げない動きでは、ほとんど痛みを感じませんでした。

腕の痛みは、接種日の翌々日の夜(接種から50時間後)くらいに、ようやく気にならなくなる…という感じでした。

幸いな事に、熱が出たり、気持ち悪くなったりするような症状は、全くありませんでした。
ただただ、痛かった。

接種から1週間以上経った今、体調はすこぶる良いのですが、打った方の脇(リンパの辺り?)にしこりのような腫れが出来ている事に気付きました。
触ると痛いのですが、これは…?

一般的に、副反応は1週間で消えるとアナウンスされていますが、この症状が出たのは接種から1週間後です。
したがって、ワクチンとは関係なさそうな気はしますが、何となく気になります。

発想のてんかん

てんかん患者は、発作の具合いによって障害者手帳を更新できるかどうか分かりません。
私は、昨年12月に障害者手帳を取得しましたが、もうすぐ有効期間の1/4が経過してしまいます。

障害者手帳の取得を決めた際、「どうせなら手帳のメリットを最大限享受してやるー!」と息巻いていたのですが、このご時世なので、なかなか思うようにいきません。
今年のGWは、美術館や博物館など、障害者手帳で入館料が割り引かれる施設を沢山回ろうと思っていたのに、東京は多くの施設が閉まっていた為、計画倒れでした。

そんな愚痴を、実家の母に電話していたら
 「あんた、本当にプラス思考だね~」
と言われました。

 ……そうなのかな?

確かに、私は、てんかんをマイナスに考えていないかもしれません。

これから先、自分の病状がどうなるのか、ドキドキ感はあります。
しかしそれは、辛く、悲壮感漂うドキドキではありません。
例えるならば、お気に入りの作家の新刊ミステリを読んでいる時のような、ドキドキとワクワクの入り混じったような感じ… でしょうか。

なぜ、こんなにも楽天的でいられるのか?

思うに、色々と「タイミングが悪くなかった」のだと思います。
(良かった…とは言いたくないかな。)

初めて発作が発覚したのは、30歳の時でした。
そのため、進学や就職など、人生の節目となるようなタイミングに、てんかんという病気が全く影響していません。
周りの方にも恵まれ、「てんかんが原因で、何かを諦める」という経験もしていません。
また、発作の頻度が少なく、発作時の記憶がないので、発作に対する恐怖心がほとんどありません。
悲観的にならずに済んでいるのは、このような様々な要因が上手いこと積み重なったからでしょう。

今後もこのようなラッキーが続くとは限らないので、もちろん不安はありますし、マイナスな気分になる事もあります。

しかし、人間、生きていれば、悩まないなんて事はありません。
てんかんになる前の30年間は、てんかんに対する不安や悩みは全くありませんでしたが、それ以外の沢山の事象に思い悩み、辛く苦しい思いも沢山しました。
でも、楽しいこと、素晴らし経験や体験も、いっぱいいっぱいありました。
人生において楽しい事と悩み事が同居しているのは、病気であろうがなかろうが誰しも同じで、てんかんになったからといって、その原則が変わる訳ではないのです。

上手く言い表せませんが…
同じ事柄でも、何を主軸に考えるか、どう見るかで、気持ちが変わるような気がします。
てんかんという病気を、「マイナスで不幸だ」という軸で考える事も出来ますが、私は、少しでもプラスイメージで考えたいです。

“私”には、いつでも幸せいっぱいでいて欲しい。

障害者手帳の特典利用は、私にとって、自分のモチベーションを上げて、必要以上に落ち込まないようにする自己防衛手段のひとつなのかもしれないな、と思いました。

もうすぐ緊急事態が開けるようです。
色々とお出かけ出来る世の中になると良いです。
楽しい事をいっぱい体験して、幸せいっぱいだったと思える人生にしたいと思います。

「基礎疾患をお持ちの方」だった!

連日、新型コロナウイルスのワクチン関連のニュースが報道されていますが、我が家にも、自治体からの「もうすぐワクチンクーポンを配るよ」という情報紙が入っておりました。
64歳以下の私にお知らせが来るタイミングはもっと先だと思っていたので、少々驚きながら紙面を読んでいると、さらに驚くべき発見がありました。

 基礎疾患の基準が変わっている!?!?

以前、調べた時には、てんかんは、基礎疾患に該当していませんでした。

しかし、今回、新たに以下が加わっていました。

重い精神疾患精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、又は自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持している場合)


てんかんは、精神障害者保険福祉手帳、自立支援医療(精神通院医療)の対象です。

私は、手帳も持っているし、自立支援医療の受給者証を見たら、「重度かつ継続」欄に『該当』と印字されていました。
“基礎疾患あり”だったのです。

もちろん、全てのてんかんが、基礎疾患に該当する訳ではないと思います。
手帳を取得していない、又は要件に該当せず取得できない人もいるでしょう。
また、自立支援医療制度は、症状が殆ど消失している患者であっても、軽快状態を維持し、再発を予防するためになお通院治療を続ける必要がある場合も対象となるので、「重度かつ継続」に該当しない人もいるのかもしれません。
(自分以外をを知らないので、推測ですが…)

しかし、私のように、基礎疾患に該当するてんかんもあるのです。

念の為、厚生労働省のHPも見てみてみましたが、同じでした。
 >>基礎疾患等の範囲(厚生労働省)

基礎疾患の範囲は、“現時点の科学的知見等に基づいて検討された”そうで、「2021年3月18日時点」とあるので、そのタイミングで、てんかんが該当するようになったのかもしれません。

でも、なぜ急に基礎疾患に加わったのか?
重症化するリスクがあるという事なのか?

理由が気になるけれど、調べ方が分かりません。
厚生科学審議会 (感染症部会)の議事録も、本日現在、2021年1月15日分までしか公開されていませんでした。

まぁ、必要以上に不安になるのは良くないので、今まで通り、感染対策に気を付けていきたいと思います。


それにしても……
 私、重い精神疾患だったのか。

どうしても、“言葉の響き”が良くない気がしてしまいます。
しかし、重い疾患だからこそ、医療費の軽減など公共サービスが受けられるのだから、受け入れるしかありません。


【参考】
>>接種のお知らせ(厚生労働省)

魔法の杖

東京の人は、冷たいです。

特に朝の通勤中は、多くの人が満員電車に詰め込まれ、人で溢れた駅構内を、ぶつからないように神経をすり減らしながら早歩きしている為、他人にかまってなどいられません。
その流れに乗れない人がいても、誰も手を差し伸べません。
皆、疲弊しているし、攻撃されないだけマシなのです。


先日、私は、インラインスケートで河川敷を走行中、飛び出してきた子供を咄嗟に避ける際、バランスを崩して転倒し、尻もちをついてしまいました。
あまりに痛かったので、2日後に整形外科を受診し、レントゲンを撮影したところ、折れてはいないようでしたが、尾骨にヒビが入っている可能性がある、との事でした。

一般的に尻は脂肪が厚く、レントゲンでは細かい部分まで写らない事が多いそうで、私の場合も、ヒビがハッキリとは写っていませんでした。
しかし、尾骨の場合、どんなに詳しく検査して該当箇所を突き止めても、治療方法は「我慢して自然治癒を待つ」だけだそうです。
そんな説明を受け、「3週間くらい様子みてね」と、診察は終わりました。

ちなみに、他から聞いた話ですが。尾骨が折れ曲がってしまった場合、“肛門から指を突っ込んでグイッと曲げ戻す”らしいです。

 恐ろしい…

そんな事にならなくて、本当に良かったです。


そんなこんなで、私は、しばらくヨチヨチ歩きしかできませんでした。
GW中は良かったのですが、GW開けからの通勤を考えると、とても恐ろしくなりました。
どう頑張っても人並みのペースで歩けませんし、脚を前後左右に大きく動かせないので、「避ける」という行為が出来ません。
しかし、自分の身を守るために、自衛しなければなりません。

そこで、久し振りに杖を引っ張り出しました。
昔々、いざという時の為に、カタログギフトで選んでおいた杖です。
そんな、オシャレでも何でもないタダの杖を持ち、通勤ラッシュに挑みました。

 …スゴイ! 杖、最強じゃん!!

以前、てんかん発作直後にフラフラ感がすごくてヘルプマークを付けていた時は、「誰も何も気にしていないな~」と強く感じたのですが、杖は違いました。

朝のラッシュの中をゆっくり歩いていても、皆が、私にぶつからないように率先して避けてくれます。
席を譲って下さる方もいらっしゃいました。

 ヘルプマークより、魔法感スゴイ!

正直なところ、杖無しでも歩けました。
というか、杖で歩行が楽になるかといわれれると、ヨチヨチと自分のペースで歩くだけなら、さほど変わりません。
しかし、東京の日常は、道行く人との距離やスピードを気遣いながら歩行しする必要があります。
ラッシュ時の駅構内は特に、自分勝手に歩く事は許されず、動きの流れに乗らないといけない雰囲気があります。

そんな時、杖を使い、視覚的に“普通に歩けない”アピールをする事で、皆が「早歩きの流れ」から私を排除し、ゆっくり歩かせてくれます。
東京の人だって、それくらいの優しさは持ち合わせているのですね。

怪我をしていると、自分では周りに配慮しているつもりでも、上手くできない事が沢山ありますが、杖を持つことは、簡単に出来る“他人への配慮”の一種なのかもしれないなぁ、と思いました。

実のところ、杖を持つ事は、何となく恥ずかしいような、なんとも言えない気持ちではありました。
でも、「これがベスト!」と必死に自分に言い聞かせて、心を強くもったおかげで、順調に回復し、杖無しでも、通勤ラッシュの流れに乗って歩けるようになってきました。

早期回復は、魔法の杖のお陰かな。